ーーー・・・ 「あ、そろそろだめ…かも….……」 高校2年生の夏。 この日は 3日後に迫った体育祭の予行練習の日だった。 運動場では、 6月上旬だとは思えない暑さの中 この高校に通う生徒全員が 本番通りに競技をはじめていて、 ガヤガヤと楽しそうな声が聞こえる。 そんな中、ただ私一人だけが 運動場から抜け出してフラつく足をなんとか動かしながら、保健室までの道に繋がる校舎の裏を歩いていた。