「いいか、ちょっと聞け」
島貫先生がさっきよりも大きな声で呼びかけた。
そして久しぶりに静かになった私たち。
「…急な話だが、明日は校外学習になる。参加はこのクラスだけだ。場所は、……隣町の工場。いつも通りの時間にここに登校して構わない。1時間目の授業が始まる時間に出発する。……以上…、1時間目の授業に遅れないように」
そう言って先生は教室を出て行った。
一瞬シーンとした教室だったが、すぐにいつも通りに戻る。
「えー!なんか楽しみ!」
「工場ってだるいけどね」
「バスの時間が一番楽しくない!?」
…明日をみんなは…楽しみにしているっぽい。
「ねぇ…瑠璃…」
「うん…先生変だったよね」