目を覚ました。
晩の暑さに熟睡できず、午前10時を過ぎたのにまだ眠い。
携帯を見ると今日は8月21日。
本当は中学校の出校日だった。
だが実結は家を出る気なんて全く無い。
ベッドから出て、カーテンを開けた。
雲ひとつない青空。
実結はこんな天気が嫌いだ。

家の電話が鳴った。
2階の自室を出て、階段をかけ降りる。
リビングに入り、電話を取った。
「はい、山浦です」
「宮本中学校の岡田です。
実結さんはいらっしゃいますか?」
会った事もない担任、岡田美和子だった。
「私ですが」
「あっ、山浦さん?
今日は出校日なんだけど、分かってる?」
「分かってます」
「じゃあ何で来てないの?
連絡入ってないわよ」
「行きたくないです」
「………」
岡田は黙りこんだ。
実結から話を切り出した。
「切っていいですか?」
「あっ、山浦さ」
ガチャ。
うるさかったので実結はとりあえず切っておいた。