「…で、ここが数学教室。これで生徒棟終わり。」
昼休み、私は周りの視線を感じながらササキに案内をしていた。
まだ管理棟が残っている。
それに食堂や講義棟、体育館などへの行き方も教えないといけないから結構な疲労感だ。
「覚えれそう?」
「まぁ、ぼちぼち」
物珍しそうに見渡すササキ
「じゃあ、次こっち」
裾を引っ張って1階から案内していく。
4階まで案内し終われば、ちょうど予鈴が鳴る。
「続きはまた明日ね」
「ありがとう」
フッと妖艶に笑うササキにドキッとしたのは私だけの秘密
年上なだけあって行動も大人っぽい。
私は平常心を保ちながら教室に帰った。