なんとか家から離れた繁華街の裏道まではたどり着いた。


ここまできたなら……。




安心したのか一気に力が抜け体が倒れる。


衝撃に備えて目を瞑るが、体に痛みがこない。



むしろ、




温かい。






目を開けると私を支える誰か。

逆光で顔が暗くてよくわからない。


「ねぇ、君、大丈夫?」


声からして男だと判断力する。


声を出すことも、首を振ることもできない私は瞬きを2回する。


するとおでこを触られる。

ひんやりとしてて気持ちいいそれは私の心を安心させてくれた。