そして髪を掴んだままで勢いよく手を下に滑らす。
「いっ...!」
父の手に何本ものの髪の毛が抜けて絡まっていた。
頭皮がジンジンとする。
そして父は床にそれを捨てるとまた家を出ていく。
私は何かが抜けたようにそのままただ立っていた。
「あらぁ〜、髪、可哀想に」
フフッと笑って後ろから聞こえてくるのは母の声
振り向くと母がドアの所に立っていた。
そしてこちらに近づいてきて頭を掴み大げさにグルグルと回す。
「痛いのー?でもあなたが悪いのよ?」
回されることでさらに頭痛が増して吐き気を催す。
気持ち悪い...。
早く終ってくれと願っていると動きが止まった。
「あなた...熱あるの?」
頭を触って熱が高いと分かったらしい。