「そう言えば、礼央たちはどうする?」

「あ、後で合流しようって…」

「ふぅ〜ん、する?」


賑わう人混みの中、それでも繋がれている手を見て思わずニヤける。


「え?…する?って…?」


「だから、礼央たちと合流。今頃、付き合ってるかもよ、あいつら。」


そんな南くんの言葉に、素直に”あ!そっか!”と思う。


じゃあ、合流なんてしたら邪魔だよね。でも南くん…このまま2人ってどうなんだろ?

私的にはデートみたいですっっっごい嬉しいんだけど、なぁ〜。


「じゃ、じゃあ…帰ろうか?」


「佑麻は、それでいいの?」


下駄を履いている私に合わせて、ゆっくり歩いてくれていた南くんの足が止まって、

自然に私も歩くのをやめた。


「……わ、私は全然!」

ってのは、強がりだけど。
今の状況だけでも私には信じられない奇跡であって、これ以上を望むのは…



「佑麻って、本当に俺のこと好きなの?」

「え…っ」



なんでそうなるの?
好きだよ、いやもう好きなんて言葉じゃ言い表しようがないくらいに大きくなったこの気持ちを、日々どうすれば南くんに伝えられるか…

そればっかり考えてるのに。