————————


昨日は、眠れなかった。

家に帰ってからもずっと浮ついた心が、南くんでいっぱいで

1人なのに、なぜか南くんが側にいるような気さえして。


…私、彼女になれたんだ!!
好きで好きで、どんなに追いかけても届かなかった南くんに…好きって言ってもらえたんだ!!


夢なら覚めないでぇえ!!


って…1人ベッドにやけてた私に届いた南くんからの【おやすみ。】ってメッセージに

ジーンと胸が熱くなって、夢じゃないと教えられた。


あんなに、素っ気なかった南くんが付き合った初日からこんなにも変わってしまうなんて…


も、もしかして今日から私たち


学校でもラブラブ出来ちゃったり…



「邪魔。」

「へ……あ、おおおはよう!南くん!」


教室の入り口。
塞ぐように立っていた私を後ろから軽く押しながら教室へと入って行ったのは


今日から、私とラブラブライフを送るはずの南くん…。


「朝から何 間抜けヅラしてんの。」

「………ん?…あれ…」


おかしいな。
これは夢かな?

今までと何1つ変わらない南くんの態度に、今起きてることが夢なんじゃないかと疑い始める私。


だって、昨日 別れ際 ”また明日な、彼女さん”って髪の毛クシャクシャ…って…


「…み、みみ南くん!!!」


私の呼びかけすらスルーして自分の席へと歩いていく南くんを、慌てて追いかける。


「ね、ね、南くん!」

「……。」

「ねぇってば〜、聞いてる?」

「んだよ、朝からうっさい。」


やっと、南くんから返ってきたのは、付き合う前に飽きるほど聞いていた言葉で……。