「…余裕ぶってただけで、本当はずっと…焦ってたんだと思う。」

「…!?」


何を言ってるんだろう。
南くんの言葉に、心臓は壊れる寸前まで加速して…相変わらず涙は枯れることなく流れていく。


「面倒臭いし、ウザいし、うるさいし、関わって得する事なんて1つもない。

そう思ってたのに、側にいないと気になって、落ち着かなくて、いつの間にか目で追ってた。」


そう言いながら南くんが私の涙を親指で拭うから、


ダメなのに、期待しちゃダメだって頭では分かってるのに…

もしかして南くんも私の事…って、期待している自分がいる。


「…俊哉に気に入られてんのも、嶋中に迫られてんのも…挙句、松浦に告られてんのも。…全部 悔しいくらい妬いた。」


”認めたく無かったけど”


そう付け足して、眉間にしわを寄せる南くんに…どうして良いのか分からないほど胸がギューーッてなる。

このまま胸が押し潰されて死んじゃうんじゃないの?私!!ってくらい苦しい。



「…こんなに佑麻にハマってんだけど、どうしてくれんの?」


「っ?!…うぅ〜…そ、れって…南く、うぅ」


全然、喋れないし
どんだけ涙出てくんの自分!!

ちゃんと、聞きたいのに…南くんも私のこと好きってこと?って聞きたいのに


「……ふっ、どんだけ泣いてんの。」

「だ、ってぇ〜!!み、南く…が、」

「…ん、俺が何。」


こんな時ばっかり、優しい。

ズルい。本当にズルい人だ。
泣き止むどころが涙出てまた南くんの顔がぼやけて来ちゃったじゃんか。

どうしてくれんの、ほんと。