「…ち、近い、近いよ!南くん!!」


引き寄せられた事によって、一気に縮まった南くんとの距離に

また私の心臓は過労中。


「…佑麻、」

「……は、い」


あまりの近さに、声を絞り出すのがやっとなんですけど!?


「…ごめん…キスしたい。」

「………へ?」


え、ちょ…何?
キス!?

し、しかも…そのごめんって何のごめん!?南くんが何を考えてるのかサッパリ分かんない。どうしよう…


「…嫌?」

「い、い嫌とかじゃ…!!で、でも…その……っっ!?///」


何を言いたいのか自分でも分かっていなかった私の言葉を、吸い取るようにして南くんがキスを降らす。

こ、これで何回目だっけ…

4回目…いや、5回目……


いっぱいいっぱいな頭の中で、そんなことを考えてる余裕に驚きながら目を開ければ


「…あー、本当に最近 止め効かねぇ。」


私から距離を取って、ため息まじりに呟く南くんと目が合う。

ドキドキしすぎて死にそう!!
何がどうなってるのか分からないけど、


「…い、今のキスも…南くんの気まぐれ…気まぐれ…」


南くんの目が、熱っぽくて…思わず自惚れそうになる自分を落ち着かせるべく自分自身に言い聞かせるように呟けば、


「…俺は好きな奴としかキス出来ないって…知ってんだろーが。」


って。

いつもみたいに余裕たっぷりな顔の南くんにギュッと胸が苦しくなる。

そんなことを言われたら…治まりかけた心臓が、再びドッドッドと脈打つのを全身に感じる。