とは言いつつも、考えてしまう。
南くんは一体…何において余裕がないのだろうか。
「松浦里樹に、何て返事したわけ?」
「…え!?…えーっと、好きな人がいるから…ってお断りしました。」
私の返事に、”へぇ”と答える彼に言ってやりたい。興味ないなら何で聞いたの?ねぇ!!!
もっとリアクションしてよ!!
「すっごい爽やかイケメンだった、松浦くん。バスケ部の1年生エースだって!」
凄いよね〜と続けた私は不意に視線を感じて南くんを見た。
「素で他の男のこと褒めんのやめろ。」
「…へ…?」
「他の男の良いところとか…無駄に気付かなくていいから。」
南くんはさっきから、英語でも話してるの!?…ぜ、全然 意味がわからなくて頭 かち割れそう!どうしたらいい?!
「み、南くん…?」
「…お前は俺のことが好きなんでしょ。」
「っ、ど…どうしたの!?何かお昼に変なもの食べたとか?それとも…」
南くんが立ち止まった事によって、自然と私の足も止まる。
そして、南くんが私を真っ直ぐ見据えるから私は話すことも忘れて、思わずゴクリと喉を鳴らした。
「黙って俺だけ見てれば?」
「〜〜っ///」
頭が働かない。何!?何何?!
南くんて、本当に思わせぶりが上手。私のことからかってるの?
って言うか、私 南くんしか見えてないってば!!!…そう言いたいのに、もはや声も出ない。