ーーープルルル♪


ん?


下駄箱から靴を取り出し、履き替えた私は、突然スマホが鳴り出して画面を確認する。


「へ?…嘘!」


そこに表示されているのは

calling▷▷《 南 瀬 那 》


たった今、会いたい…声が聞きたい…と思っていた南くんからの着信。



な、なななななんで?!
私の気持ち…届いちゃったわけ?!


緊張しながらも、南くんからの電話に応答する。手が震えるぅう!


「も、もしもし…!」

『……俺。』


お、俺って!
それですらかっこいいんだが、何者かね?この人は!!


「ど、どうしたの?!南くんから電話なんて…」

『…珍しいって言いたいわけ?…俺からかけるのは2回目だけど、佑麻からかかってきたことないよ。』


「へ…っ?!そ、それは…」


南くんの言葉に、確かに…なんて思いながらも

きっと1度かけてしまえば意味もなく電話したくなるし、重たい女に早変わりする自信がある。

※すでに重い可能性有り

…そう考えたら、自分からかけることはしない方がいいだろう。


『ま、いいや。…早く出てこい。』

「え?…早くって……」

『…校門で待ってる。一緒に帰るでしょ?』


ななななななんだって?!

え、この電話…本当に、南くん!?


何、”一緒に帰るでしょ?”って!いや、帰りますけども!!!

ってか、いつも思ってたんだけど南くんサッカー部だよね?


「か、帰りたい!!でも…部活は?」

最近、よく一緒に帰ってくれるようになったのは、すごく嬉しい反面

部活を考えると疑問すぎる。


『野球部と陸部がグラウンド使ってるから、サッカー部は市営体育館でやってる。…いいから早く来い。』


そっか!市営体育館か。それなら私の家は通り道…。良かった、てっきりサボってるのかと…


「なるほど……い、今行きます!!」

『ん、じゃ。』


私に短く返事をした南くんの声を最後にツーツーと機械音が聞こえて…


ーーーーーハッ


放心してる場合じゃなかった!
南くん…こ、校門!!


南くんが待っててくれたなんて、幸せすぎて…ニヤける。どうしよう、すごく好きだ。