「あ…!森坂先輩。」


生徒玄関へと着いた私たちは、近くの柱に寄りかかってこちらを見据える男子生徒に気づく。


「…あ、あれが松浦くんだよ!」

「私たち、先に帰るから明日 話聞かせてね!佑麻ちゃん!」


「え!ま、待って!!」


私をその場に残して足早に帰っていく茉央ちゃんと黒崎ちゃんに一気に不安が押し寄せてきた。


やだよぉ〜〜

1人にしないでぇぇええ!!!



「………先輩、いきなり呼び出したりしてすみません。」

「あ、いえ……!」


気付けばすぐそこまで来ていた松浦くんに驚きながらも、必死に返事をする。


さすが、バスケ部1年生エース。

すっっごい爽やかイケメンだ。そりゃギャラリーがいっぱい集まるのも納得。


って!!こんなイケメンが何で私なんかに一目惚れ!?

ない、ないない、ありえない。


「あ、あの…罰ゲーム…とかじゃ?」

「…え?…違っ!!すみません、いきなり接点もない男に好きだって言われたらそう思うのも無理ないですよね。」


うん、無理ないよ。
まして君、凄いカッコいいし…

わざわざ私なんかに告白しなくても、可愛い彼女は選び放題でしょ。


「……もっと、順序立てて言うつもりだったんですけど、俺が先輩のことを好きなのは、罰ゲームとかそんなんじゃなくて、本気ですから。」


「っ、」

やばい、年下威力。


くぅっっっ!!!!

か、かわいいいいい!!!!子犬みたい。可愛い。ワシャワシャしたい!!


どうしよう!!!!母性の始まり!!!