あと…2人に相談したい事がまだあって。


「あ、あのね?」

「ん?」

「朝、下駄箱に…これ…」


そう言って、制服のポケットから出したのは1枚の紙。


それを、茉央ちゃんへと渡せば黒崎ちゃんと2人…声を合わせて読み上げる。


「「森坂先輩へ。入学式で見かけたときに、一目惚れでした。直接 言いたいので放課後…生徒玄関で待ってます。1-8 松浦 里樹」」


「うん、そういう事なんだけど…松浦くんって知ってる?」


「そ、そういう事って!!これラブレターだよ佑麻ちゃん!」

「す、すごい…初めて見たラブレター!」


「私も…初めてもらった。」

興奮する2人をよそに、私はどこか他人事。


私の気持ちはいつだって真っ直ぐ南くんへ向かっていて、他の人なんて目に入らない。


「松浦くんって、バスケ部の1年生エースじゃなかった?」

「聞いた事あるかも…体育館にはギャラリーがいっぱい集まる…とか。」

「そ、そんな凄い人なんだ……」


そんな人が私に一目惚れ?

いや、間違いなく罰ゲームでしょ!!!


「あー!佑麻ちゃん今、罰ゲームとか思ったでしょう!ちゃんと話聞いてあげなきゃダメだよ?」


ギクッッ


茉央ちゃんって、本当に鋭いなぁ。


「そうだよ、本気だったら松浦くんにすごく失礼…だし。」


「…そ、そうだよね…。ちゃんと話し聞いて、好な人がいるからって断る。」

「「それがいいね!」」


私の言葉に、頷く2人を見て…今日の放課後…松浦くんと向かい合う覚悟を決めました。


※2人の反応次第では逃げ帰るつもりだった。