「佑麻ちゃん!おかしい!付き合ってないのに4回もキスしてるなんて!」
「そ、そうだよ!南くんも…絶対 佑麻ちゃんのこと…好きだと思う。」
おかしい?
……うん、おかしいよね。
私も2回目くらいまでは、なんで?って深く考えたりもしたんだけど…最近は単なる南くんの気まぐれなんだって…
深く考えるのはやめた。
「女の子に4回もキスしておいて、思わせぶりも良いところだよ。」
「ハッキリ…聞いちゃうのはどうかな?」
「は、ハッキリって?!」
私の言葉に、黒崎ちゃんは続ける。
「付き合って欲しいって。それではぐらかされるようなら…もうやめちゃいなよ!」
「うぅっ…」
心のどこかでいつか…と思っていた選択肢を黒崎ちゃんにスパンッと投げつけられ、揺れる心。
南くんとの距離が近くなればなるほど、宙ぶらりんにされてる私の心が痛む。
だからと言って、南くんへの気持ちを今更スパッと断ち切る事なんて…
「む、無理だよ〜」
私には到底不可能だと思うんだ。