気付けば、礼央への返信ではなく
【今から、会える?】
佑麻へのメッセージを打っていて、心なしか震える指でそれを送信した俺。
「…会って…どうすんだろ。」
送ってしまってから、その文を自分で読み返して思う。
…会ってどうすんだろう。
”なんで言わなかった?”って”ばかじゃねぇの?”って…頭に浮かぶのはそんな言葉ばっかりで
そんなの、わざわざ会ってまで言うことじゃないのも分かってる。
じゃあ、なんでこんなにイライラすんのかって考えた時に思い当たるのは”おめでとう”が言えなかった事を後悔してるから。
せっかく、誕生日に会ったのに直接おめでとうを伝えられなかったことが悔しくて、ムカついて仕方ない。
「…って、俺 すげぇ佑麻のこと祝いたいみたいじゃん。」
未だ返信の来ないスマホを握りしめて、部屋の時計へと視線を向ければ
すでに20時15分を差している。
今頃…家族で祝ってるよなぁ。
…会える?って、聞くのこんなにも勇気がいるとは思わなかった。
それに、返事を待ってる時間が…こんなに不安で、苦しいのも知らなかった。
いつも佑麻は、こんな気持ちだったのかな。シカトしても…どんなに素っ気ない態度を取っても…突き放しても
佑麻は一度も俺に背中を向けなかった。”私頑張るよ!”が口癖で、それすらもばかじゃねぇの?って思ってた。
でもきっと、それはあいつの強がりで、本当はずっと無理させてたんだろうな。