「はぁ……。」
部屋に入るなり、ベッドにもたれてその場にしゃがみ込む。
正直、自分で自分が分からない。
今日だって、わざわざ夕方までに家に戻らなければならないと分かってて佑麻の誘いを受けた。
いつもの俺なら絶対、断ってたと思う。
それに、何より佑麻との時間を振り返れば楽しかった…って思える。
ま、映画館ではあいつ8割寝てたけど。
どうせ…楽しみすぎて昨日はあんまり寝れなかった、とか小学生の遠足前みたいな感じだったんだろ。
「…ふっ」
あー。
何で家に来てまで佑麻のこと…
ーーーーーーピロン♪
突然なったスマホに視線を落とせば、そこには礼央からのメッセージが届いていた。
【佑麻ちゃんとのデートどうだった?】
……何で知ってんの。佑麻のやつまた片瀬達にペラペラ報告してんのかよ。
つーか、
【デートじゃねぇし。別に普通。】
送信。
勝手にデート呼ばわりすんな。
ただケーキ食って映画行って、あいつが仮眠しただけの話だろ。
ーーーーピロン♪
【照れんなよ。で?何プレゼントしたの?】
いや、全然 照れてねぇし。
…プレゼント?何でわざわざ、少し遊びに行ったくらいであげる必要があるんだよ。
【んなの、あげてねーよ。】
送信。
ったく、礼央は片瀬とデートの度にプレゼントあげてんじゃねぇよな?
いや、あいつならあり得る…。