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「あ、瀬那にぃ、今日どうだった?」


「どうって、何が?」


送ると言う俺を頑なに断る佑麻と俺の家の前で別れ、帰宅した俺は乙葉の誕生会をした後 部屋へ戻ろうとソファから立ち上がった。


それを、引き止めた乙葉へと視線を向ければ


「何がって、今日 佑麻さんと会ってたんでしょ?」


ニヤリと笑いながら口角を上げる乙葉に背筋が凍る。

「…なんで知ってんの。」


バレてるなら隠しても仕方ない。
それに、別に隠すほどのことでも…


なんて、思った俺の考えは

「え?!瀬那…彼女できたの?いつの間に?連れてきなさいよぉ〜!!」



母さんの言葉に一瞬で崩れ去る。
あー、やっぱ否定しておけば良かった。



「彼女じゃないし、」

「じゃあ片想いなの?頑張って早く告白しちゃいなさい!ね?!」


”息子の彼女を家に呼んでご飯食べたり…憧れるわ〜”


なんて、勝手に妄想を繰り出す母さんに冷めた目を向ける俺。


「もう付き合っちゃえばいいのに。」


なんてサラッと乙葉に攻撃されて、なぜかドキッとする。

ったく、うちの女たちうるさすぎだろ。


「…うるさい。」


それだけ発して盛り上がる母さんと乙葉に背を向け、リビングから逃げるように2階の部屋へと向かった。