ふとスマホで時計を確認すればもうすでに15時半。


このまま帰ったら、家に着くのは16時半ってところかな〜。


乙葉ちゃんの誕生会、夕方からだって言ってたし…そろそろ


「帰ろうか、南くん。」


映画館を出ながら、隣にいる南くんを見上げれば

「もう他に行きたいところねぇの?」


足を止めた南くんが、首をかしげながら私を見下ろす。


ふはーー!!その仕草かっこいいぃぃ!南くんて元がイケメンだから何しても絵になる。


「うん、今日はこんなに長く南くんといられて大満足です!」

「そ、こんなんで満足とか安い女。」


フッと笑って再び歩き出した南くんの背中を慌てて追いかける私は、南くんに意義あり!


「や、安くないよ!南くんは高級イタリアンだよ!!」


そう、南くんとの時間で満足する私は安い女なんかじゃない。
私にとって、南くんとのデートは高級イタリアンでディナーをするよりもずっとずっと価値のあることなんだから。


「……何その例え。」


「高級イタリアンでディナーするより、南くんと四つ葉のクローバー探してる方が幸せ。ってこと!」

「俺は四つ葉のクローバー探しなんてしたくない。」

「た、例えばの話だってば!」


「佑麻の例え、変。」


ガーーーンッ


あからさまにショックを受ける私を見て、口角を上げる南くんは

やっぱり私をからかってる。
そして楽しんでる。


でも、南くんが笑ってくれるならそれもありかなって、思う。

私、ドエムか!!