「なんで今日、OKしてくれたの?」
「…何、急に。」
Wild strawberry(野いちご)という名のケーキ屋さんに着いた私たちは、窓際の2人掛けの席に座って向かい合っている。
すでに私は木苺タルト、南くんはガトーショコラを注文した。
私、ガトーショコラも捨て難くて最後の最後まで悩んでたから、南くんがガトーショコラを選んだときは、ガトーショコラにすればよかった!とか思った。
そしたら、好み同じだなって思われたかもしれないのにぃい!!!
「だって、わざわざ嫌いな私のために時間使ってくれるって…不思議って言うか…。」
そう言いながら、南くんを見つめれば
「…俺、嫌いなんて言ったことあった?」
「え?…えーっと…」
まさかの質問に、驚きながらも必死に考える。
「…別に嫌いなわけじゃない。」
「そ、そそそうなの!?」
「…でも、うるさいし面倒臭いしうざったいとは思ってる。」
ガーーーンッ
それを、人は嫌いと呼ぶのではないのでしょうか?ねぇ、南くん?
「…でも、佑麻がいないと静か過ぎて落ち着かなかったりもする。」
「っ!?///」
な、何それ!!!
南くんって、本当にズルいよね。
アメとムチのバランス黄金比だよ!!どこで教わったのそれ!!
「それって…私のこと好「お待たせしました〜!こちらが木苺タルト、それからガトーショコラになります。ごゆっくりどうぞ。」
ガクッ
店員さん!!タイミング最高だったよ。もう仕組まれてるかのように、それはもう最高だったよ!!!