悲しいけど、現実を受け入れよう。


「はいはい、カップルそっちのけでイチャコラしないでくれますかー。」

「本当それ。行くぞー!」


山田くんの言葉にハッとしてみんなを見ればニヤニヤと視線を私へと降り注ぐ。


歩き出した宮坂くんは”時間なくなるし”そう続けて茉央ちゃんの手を握った。


付き合ってるから当たり前なんだろうけどその自然な仕草に見てる私がドキッとしてしまう。



あぁああぁあ!!!!
どうしよう、南くんと手繋ぎたいぃぃ!!どんどん欲張りになる。


最初は見てるだけで十分って思ってたのに…声を聞きたい、話しかけたい、話しかけて欲しい…笑って欲しい…好きって伝えたい…


そして今は


私のことを好きになって欲しい。


人間って本当に欲深いなぁ、なんてしみじみ考えさせられる今日この頃。


南くんは毎日、どんなことを思って過ごしていますか?

その毎日に、私はいますか?


南くんの未来に、私は……。



ーーーーーーー

「じゃ!もちろんここはバラけるよね?」


海遊館に無事着いた私たち…


「はいはい!賛成っス」


宮坂くんの言葉に、大賛成の様子の山田くんは右手を挙げてアピール。


「私たちせっかくだから2人で回りたいなぁ…?」

「わ、私も……。」


私へと視線を向け、遠慮気味に主張する茉央ちゃんと黒崎ちゃん。


「え……そ、そんな!」


分かる、分かるよ?
せっかくだからカップルで回りたいって気持ちは、ソロ充の私だって!!