「つーか、もう怒ってんだけど俺。」

「え?嘘…ななななんで!?」


また怒らせちゃったらしい。
私、南くんを怒らせるテストがあったら満点かもしれない。


でも、どこだ?どこに今回南くんのお怒りポイントが?


探せ、探せ探せ!!

南くんが答えを言うより先に、お怒りポイントを見つけて謝れば許してくれるかもしれない。


…で、でででも


南くん怒ってるくせに、私を抱きしめたまま。

何なら、さっきよりきつく抱きしめられてる気さえして心なしか苦しい。


「なんで俺じゃない男の部屋に行ってんの?」


「あ、そこか!…ん?そこ!?」


南くんより答えを先に見つけ出せなかった私は、南くんの答えに?がいっぱい。


南くんじゃない男の部屋…


それって、南くんの部屋ならいいってこと?それとも…私 日本語も弱いんだよー!

以外とか、以上とか、以内とかゴチャゴチャになって分かんないー!!!


「しかも、押し倒されたとかバカじゃねぇの。」


ゾワッ


あー、機嫌悪い。
この上なく機嫌悪い。

あれは、自分でもバカだと思ったし反省もしてるから許して欲しい。

心底自分を恨んだんだよ?本当だよ?


「み、南くんっ…苦しい!」

「うっさい」


えぇえぇええ?!
私、苦しいんだよ?確かに南くんに抱きしめられてることは昇天するほど嬉しいし、気を抜いたら鼻血なんて簡単に出るけど


私の内臓が悲鳴をあげています。