途端、私にかかっていた嶋中くんの重さが消えて、私たちは慌てて距離を取った。


山本くんと柴田くんお風呂から帰ってきたんだ。


た、助かった…良かった……。

本当は少し怖かった。いくら嶋中くんが優しい人だって知ってても、こんな状況じゃ話は別だよ。


「早かったんだね。」

「男の長風呂なんてキモいだろ。」


嶋中くんの返しに答えた柴田くんは、私を見つけて訝しげに眉をひそめた。


「落し物したみたいで、森坂が届けてくれたんだ、ね?」


そんな柴田くんの視線に気づいた嶋中くんはすかさず助け舟を出してくれた。


「…あ、うん。私、もう戻るね!おやすみなさい!」


私の言葉に頷くだけの嶋中くんと、”もう帰るの〜?”なんて呑気な山本くん、そして興味なさそうな柴田くんを残して

早足に部屋から出た。