1人で撮った写メも残ってるけど、ロック画面を解除しなければアルバムは開けないわけで…


「見せて?」

「いや、あの……」

「何?」


真っ直ぐ見つめられすぎて目が泳ぐ私に、どんどん詰め寄ってくる嶋中くん。

こ、ここここれはやばい!!


自惚れ自意識かもしれないけどまたキ、キスとかされる前に見せちゃおう!じゃなきゃ南くんに怒られちゃう!!


……ん?待てよ?

なんで私…南くんに怒られなくちゃいけないんだっけ?

○付き合っていない
○完全なる片思い
○南くんは私に興味すらない


…これで怒られるのは理不尽だ。
(今更気づいたんですね。)


でも、南くんにまた冷たくされるかもしれないって考えたら背筋が凍る勢い。


「……はい、」


それだけ発して、スマホのロック画面を差し出せば明らかに嶋中くんが不機嫌になる。


「……なるほどね。南も考えたね。」

「え?」

「この写メ…森坂は俺のだからって威嚇にしか見えないんだけど。」


……言われて視線をロック画面の写メへと落とす。


確かに南くんは舌を出してあっかんべーしてるけど、こんなポージングって良くあるよね。

いや、南くんがわざわざ写メでポージングしてくれるなんて奇跡にも近しいけども。