「なんでって…告白は男からするもんっス!!」
南の言葉に、当たり前だと言わんばかりの山田はどうやら黒崎の事が好きらしい。
「…そうなの?」
山田の説明を聞いてもなお、不思議そうな南。
「俺も自分から言った、茉央に。」
「……ふぅん。」
「瀬那は、モテすぎて感覚狂ってんじゃねぇの?」
「別に、モテねぇよ。」
「佑麻ちゃん、ゾッコンだもんね〜!いよ!ふぅ〜〜!!」
そして、山田は時として空気が読めない。いや、そこが良いところなのかも…
「俺は佑麻ちゃんが可哀想。報われないのにひたすら想い伝えてさ。突き放すわけでも受け入れるわけでもない瀬那はある意味、卑怯だよな。」
「………。」
「そもそも、本気で迷惑ならとっくに突き放してるっしょ。それを離れて行かないようにキープしてるくせに、”俺は好きじゃない”だもんな。よく言うよ。他に取られて泣けばいいのに。」
「……………。」
宮坂の言葉に何も言い返さない南には、少なからず自覚があるらしい。
「宮坂、いつからそんな毒舌に?」
「あれ俺、心の声漏れてた?」
とぼける宮坂に
「礼央、お前わざとだろ、殴んぞ。」
ついに、南は沸点に到達した。
ーーーーーー男湯編 終