工藤くんに、【舞妓さんどうかな?♪】って文と一緒にさっきの写メを送信。


「…つーか、仮にも告られてて…挙句 今朝キスされた相手に自分からメッセージって…」


「…へ?」


隣でブツブツと唱えるように呟く南くんに今朝の出来事がフラッシュバックする。


そそそそそういえば…南くんとの自主研修に浮かれまくって忘れてたけど


工藤くんって…わわ私のこと好きなんだった…しかも今朝、不意打ちとは言えキスしちゃったし…

南くんには見られちゃうし


送ったメッセージを確認すれば、早々に既読マークが付いている。


「…やっぱり、自分のこと好きなやつはキープしときたいわけ?」

「なっ!…そんなことない!!」

「じゃあ、無駄に媚び売んな。工藤に可愛いって言われたら嬉しいんだ?」

「……可愛いって言葉は、誰に言われても嬉しいもんだもん。そりゃ南くんに言われるのが1番嬉しいけど…」


ーーーーーーピロン♪



南くんと言い争ってるうちに、スマホのメッセージ受信音が鳴り響いた。


ゆっくり画面へと視線を向ければ



【佑麻ちゃん、可愛い(^_^)
同じ班の狼には気をつけて。】


やっぱり工藤くんは女子の欲しい言葉をよく分かってる!!!


初めて言われた”可愛い”に、ついニヤッと口角が上がってしまう。


「………同じ班の狼?」


なんだ、それは。


も、もしかして南くんのこと?


「……俺は狼じゃない。だとしても、お前は襲わない。」



ガーーーンッ


視線で南くんに訴えてみた私に、南くんはグサッッと言葉のナイフを刺してきた。