そして、今日は待ちに待った自主研修の日で…
私は今、旅館のロビーで男子チームが来るのを茉央ちゃん達と待ってるんだけど
「遅いなぁ〜」
「トイレ……かな?」
茉央ちゃんも黒崎ちゃんも、キョロキョロ周りを見渡している。
何してるんだろ?
もう出発の時間なのに。
他の班はそれぞれ集まった順に旅館を後にして自主研修がスタートしている。
「わぁっ……!」
いきなり後ろからフワッと抱きすくめられて身動きが取れなくなる。
「俺、もうダメ佑麻ちゃん不足。なんでクラス違うかな。」
「く、工藤くん!?…ビックリした……って、ははは離して!!」
耳元で工藤くんの声がして、どうもくすぐったい。それに、こんなところを南くんに見られたくない!
「やだ。」
「や、やだって…あの「朝から…何してんの。」
ギクッッ
どうしてこうも、タイミングが悪いんだろう。いやここまで来ると逆にこのタイミングを狙ってたかのような勢いだよ。
工藤くんに抱きすくめられている私に、冷たい表情を見せる南くんと、
「お?朝から熱いね〜!」
相変わらずな宮坂くんと、
「あれ?佑麻ちゃんって工藤くんと付き合ってたの?」
なんかちょっと空気の読めないらしい山田くん。いや、山田!!!この野郎!!!
私は今も昔もこれからも、南くん一筋だっつーの!