通話終了の文字を見つめながら1人でニヤニヤしてしまうのは、南くんと電話を通して少しだけ深い関係になったような気持ちになってるから。


ま、まさか南くんから電話してくれるなんて夢にも思ってなかったから嬉しすぎて、緊張しすぎて…

未だに夢じゃないかと疑ってる。


それに、それにそれに!!!


「私の声、好きって……くぅ〜〜///」


抱き枕を抱きしめて、顔を埋める。
思い出すシトラスの香り。


あーあ、会いたい!!顔を見て話がしたい。

今までは学校で会って話すことしか無かったから、こんな気持ちは初めてで、なんだかすごく苦しいな。


南くんは今、何を考えているかな?

私のことも少しは頭の片隅に置いてくれてるといいな。


楽しみで仕方なかった修学旅行が、少し不安要素を含み出したけど…せっかく南くんと同じ班だし、楽しんでやる!!!



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一方、瀬那はと言えば…?



「何勝手にモテてんだ、ばか。」


ベッドの上に胡座をかいて座り込み、壁に寄りかかって独り言を呟いたあと


「あー、寝れねぇ。」

布団に入り、寝返りを打つ。
思い出すのは、佑麻の声で……


『み、南くん!大好き!おやすみなさい。』


「〜〜っ、あー!!何だこれ。」


何やら葛藤中。