「合っているはずです。私の水晶ではこの方向をさしています。」
「大蛇殿?どうして妖怪王の末裔なんか探しておるのですか?半妖なんかにそんなすごい妖力があるとはとうていおもいませんけどね。」
「そうですよ、頓豪殿のいうとうりですよ。なぜ、探す必要があるのですか?半妖なんて頼りにならんでしょう。」
「あなた達にはわからないでしょうね。私があのおかたを探している理由が、お話ししましょう。
時をさかのぼること二百年前、私はまだ駆け出しの青二才の妖怪で妖怪王様の右腕として仕えていました。その頃の妖怪王様はとても強い御方で、不老長寿の力を得て死ぬことは有り得なく、皆に憧れられていて、我々のことをよく考えてくれる。そんなお人でした。妖怪王さまは妖怪でありながらも、この地球全ての生き物と平和のよく考えておられたのです。だが、ある日妖怪王様は悪魔大王との会談のときに意見のくいちがいで、妖怪帝国と悪魔界の全面戦争がおこり。