「あ、スマホ部屋に忘れた!取りに行ってくる」
私は、レシピを検索しようとポッケに手を入れた時にそれに気づき、「はーいいってらっしゃーい」という2人を後にして階段を上った。
ガチャっ…
日向寝てる、よね。
静かに机の上のスマホに手を伸ばす。
「お、色香だ。」
日向が、布団からチラッと顔を出してムクッと起き上がった。
「起きてたんかい」
しかも堂々と私のベッドで…
思春期のあれはないのか…
それとも単にそんなことドウデモイイのか。
だって布団がそこにあったから。とか言いそうだ。
「元々寝てないもん、横になってただけ。」
そういって、日向はゴソゴソと布団を足元の方へ避けた。
そして綺麗にスペースをつくる。
ふっ、何してんだろ。巣を作ってるリスみたいで可愛い。
私がスマホをポッケにいれ、観察していると日向はあぐらをかいてベッドの上に座り
パッと顔を上げたかと思うと、ポンポンポンッと自分の前のスペースを叩いた。
「…へ?」
ここに来いってこと?