けど、こいつが男嫌いな理由はそこにあると。 父親にあると、たった今気付いた。 「なんで言わねーの?」 「…言ってどーなるんだよ」 「俺にはどーも出来ねぇよ。だから聞くだけならしてやるっつーの。それでも案外楽になるぞ?」 そう言うと、歩は言葉に詰まりながらも、ゆっくりと話し始めた。