担任はわざとらしく溜め息をつくと、お決まりの説教を飽きもせず繰り返した。
片足に体重をかけ、大して顔も見ずに聞き流す。
「おい、東條!」
「まだなんかあんの?」
「なんだその態度は!!」
職員室中の教師の視線がチクチクと俺を刺す。
慣れたから痛くもかゆくもないし恥ずかしさもないんだけど。
「水谷さん、聞いてるの?」
俺が「…あのさ」と口を開いたのと、別の女教師が言葉を発したのは、ほぼ同時だった。
注意を引かれそちらを見てみると…
今の俺と同じような状況に立たされた女子生徒がいた。
「聞いてますって」
とてもそう見えない言い方をした女。
俺はじっと食い入るように見つめていた。
肩まで伸びたストレートの茶色い髪。
耳には2つピアスがついていて、顔は光でよく見えないが恐らく綺麗系の…。
なんて勝手な想像を膨らます。
ふと視線を下ろすと、チェックのスカートから伸びた細い足に目が留まる。
…変態か俺は。
「あなたその格好、明日までに直してきなさい」