翌日。
学校に着くと真っ先に担任に呼び出された。
理由はいつもの説教…かと思いきや、昨日の暴力沙汰についての尋問。
人に見られていなかったはずだから、きっとアイツが学校に知らせたに違いない。
事実であることには変わりないので、俺は殴ったことを素直に認めた。
1週間の停学をくらった。
賢はわざわざ家まで来て理由を問い詰めた。
「相手大学生だったんだってな。何したんだよ?」
「…いや別に」
「奈津、自分からは滅多に手出さねぇじゃん」
「だってむかついたんだもん」
「だから何にだよ」
「………」
俺は黙り込んだ。
歩の彼氏が二股かけて、その上最低な言葉を吐き捨てたこと。
思い出すとイライラする。
でもそれ以上に、歩が心配だった。
信用しきっていた男に、あんな風に言われたら。
アイツはどうなる?
「…奈津。もしかして水谷関係か?」
「え、賢エスパー!?」
「大体そんなことだろーと思った。何があったんだよ?」
どう言えばいいのか…、しばらくもごもごしてた。