「奈津〜今日なんか予定ある?」
放課後。
賢がだるそうに話しかけてきた。
「あ〜…っと。たぶん大丈夫」
携帯を取り出してメールBOXを確認し、曖昧な返事をする。
賢はそれを見ると顔をしかめて小言を言った。
「ちゃんと確かめろよ。俺また女に出くわすの嫌だからな」
恐らく。
この前約束していた女をすっぽかして、賢と遊んでいた時のことを言っているのだろう。
あの時は“一緒にいた”ってだけで、相手の女が賢に突っかかってたからな。
「俺反感買うのごめんだし」
「いやぁ悪い悪い、まさか男にまであんなこと言うなんて思ってねーからさぁ!」
「そこ問題じゃねぇだろ!」
約束したなら守れよってことか。
でもアイツ色々束縛してくるから合わねぇんだよな。
もう切ろうかなー。
…とは言えなかったのでとりあえず黙っといた。
「気ィ付けるわ。んで、今日はなんのお誘い?」
「あ〜…お前がやりたいっつってたゲーム」
「マジ!? じゃあ対戦しよーぜ!」
「すぐムキになるからやだよ。だから貸す」