「アバウトだな…。つかサボリのくせに本読むなよ。逆に疲れんじゃん」
「だって暇だもん」
「俺と話せば?」
「結構です」
キッパリと言い放つ。気持ち良いくらいに。
邪魔するなと言わんばかりのオーラを出す歩から視線を外し、前に向き直る。
すると、本を読み終わったのか、途中でやめたのか。
隣からスッと手が伸びてきて…
俺が取ろうとしていた小さな箱が奪われた。
小さな箱──煙草。
「…へ?」
間抜けな声を出す俺にお構い無しに、1本くわえる歩。
「おまっ、何やってんだよ!?」
反射的にそれをぶん取る。
歩は顔をしかめた。
「…何」
「お前未成年だろーが!」
「アンタもでしょ」
「俺はいーんだよっ! 女が吸うな!」
めちゃくちゃな言い分を並べ立て、奪い取ったそれを口にくわえる。
まさかそう来るとは…。
「あ」
「今度は何?」
「…間接チューしちゃった」
冗談混じりに笑ってみせると、数秒後。
「ばっ…かじゃないの!?」