話していても仕方ないと思ったらしく、それ以上は突っ込んでこなかった。
「…今度っつか明日から早寝早起き、絶対な」
「え、無理無理。夜は忙しいからよ」
軽く流そうとしたら、はぁ…と溜め息をつかれた。
怒る、というより呆れに似た賢の表情。
「また“お仕事”?」
「ピンポ〜ン」
「お前なぁ…」
適当に返事をする俺。
“お仕事=女”
もっと言えば、体のみの関係の、女の相手。
別に好きでも、かといって嫌いでもない。
金を貰って商売しているわけでもないがとりあえず相手してる。
体を重ねたその先に、何を求めているのか?
そんなことは考えていない。
つーか、考えるだけ無駄。
お互い気持ちなんてない。
気持ちがあったら切り捨てる。
本気の恋愛なんて面倒なだけ。
冷酷だ、最低だと思うかもしれない。
けれど、あちらにも言えること。お互い様だ。
どっちも、楽な相手を。
後腐れのない相手を求めているだけなんだから。
「奈津さぁ…そろそろ本気になれる奴見つけた方が良くね?」