「話を聞いて欲しかった?
自分が言いたいだけじゃなくて?」
黙りこくってしまう翔馬
え?
言い過ぎた?
でも、そう思ったし...
「ずばずば言うね」
「言わないで後悔するのは嫌だし、あたしには時間はいっぱいあっても
みんなはあっという間だし」
「...それは、ルナちゃんだから言えることだね」
「確かに、それにね。
身近な人が無くなって嘆いて、進めない人なんて沢山いる
あたしは何人見送ったかわからない。
...それでも生まれてくる命がある」
生まれ変わりはいないとか、言う人もいる
でも、きっといる
今だって、誰かが命を終えているかもしれないでも、その瞬間生まれる命があることを知っている
「ルナちゃんは悲しくないの?
その人のためをおもうなら、たった一人の人をずっと思っていてほしくないの?」
「それは、わがままね。
亡くなっているのならなおさら。確かに、亡くなった人の時間は止まったまま
でも、遺された人は進む時間の中にいる。
進んでいるのに止まっているのは変だと思う」
「だから、あたしは、覚えておくの、
どんな人がいたのかあたしの中に生きていてもらう、
でも、あたしも生きている
だから、一緒に生きていくの
心にいる大切な人と今を生きている大切な人と一緒に」