岬さんはもうすでにカフェに着いていた
双子が最初に会ったときとは、全然違う服装に、岬さんがいることに気づかなかったみたい
手を振って合図をすると、緊張しながらも微笑んで応えてくれた
あたしは、岬さんの隣に座り、海と空と向かいあう
流れる沈黙
店内に人は少なく、流れるBGMはクラシックで流れている時間がゆっくりに感じる
最初に口を開いたのは、岬さんだった
「...ただ時間が流れるだけね。
止まることもなく、
もう。どう話せばいいかすら忘れてしまったみたい」
そういい席を立って帰ろうとする
「待って!!」
空が岬さんを止めた
「...ケーキ。
ありがとう。」
ピタリと止まった岬さんは、ストンと席に戻り、ハンカチで目を拭った