不思議そうにあたしの後を付いて来る空
みんながパーティーをしている広間じゃなくていつもあたしたちがご飯を食べる部屋
そこの机に置かれた、小さい箱
「...?なに??」
「あけてみて?」
「ッこれ。」
少し不格好なおめでとうの文字
みんなで買ったショートケーキの真っ白い色とは違う、オレンジのクリーム
「...キャロットケーキ」
「あたしたちからの...だよ?」
傍に在ったフォークで一口
「っふは。
...変わらないや」
笑いながらも瞳からは涙が流れた
「...ルカっち。一個お願いしてもいい?」
「ん?なに?」
「...海の退院祝いにもこれ持ってきてくれないかな?」
「お安い御用よ」
トンっと胸を叩いて誇らしい顔で答える
「...ルカっち。吸血鬼じゃなくて魔法使いなんじゃない?
涙が止まらないや」
そっと部屋を後にした
「いーの?空くん一人で」
「今は、きっと一人でいたいと思うよ?」
あたしたちはみんなの元に戻った