「それに、輸血する部屋で規定以上の血を俺にくれたんだって

でも、それは、内緒にしてほしいってお願いしてるのも見た。

泣きながら必死だった」





うん。


あの人は、あの時も必死だったよ




「海...昔僕が殴られて病院に運ばれたことあったでしょ?」



「...あぁ。」




「あの時もね、泣いてたんだ。

俺を殴りながら、ごめんねって謝りながら」




「...ッ。」





幼い俺は、そんな涙の理由に気づかなかった





「退院したら。

ルナっちのとこに行って母さんと何を話したか聞こう」





「...そうだな

拒絶を当たり前だよって言う女は少ないよな」







そうだね



「...ばか。

だよね」



「ばか。...だな」