「病院に運ばれた時には、もう意識が遠くって
血が足りないのかなって思った
前にルナに血を吸われたときに言われたこと覚えてるか?」
『あなたたちは、珍しい血液型。
だから両方が大怪我をしたら死ぬよ?』
「うん。覚えてるよ」
僕たちも互いに珍しいことは知っていた。
だから気を付けるようにはしていたつもり
「俺死ぬのかなって思った。
そんなときガラス越しに自分を見ていた。
正確には、空の後ろで自分を見ていた」
え?
それは、幽体離脱ってものなのかな?
「それで、全部見ていた、あの人。...母さんが必死になってる姿
外ではあんなにカッコつけていたのに、だっさい服でぼさぼさで
ルナの姿も見た。
必死になって空を抱きしめていた」
信じられないけど、海は体を離れて僕たちを見ていたんだ