すると廊下の方が騒がしくなった
見るとみすぼらしい格好に、ぼさぼさの髪の女性が必死に医者に駆け寄っていた
「私はあの子たちの母親です。血液型も一緒です。
どうか、すべて使っていいのであの子を
...海を助けてください」
必死に懇願する女性
医者は、急いでこちらにと輸血できるか確認しに行った
そのあとから月とルカっちが僕の方に気づいて駆け寄ってきた
「..ッ空!!」
今にも泣きそうな顔で、僕の方に駆け寄ってくる
車いすごとぎゅっと抱きしめられる
「空...そら!」
いることを確かめるように、何度も僕の名前を呼ぶ
「...ッく...ルナ..ズッ」
瀧のように止めどなく滴が溢れた
「大丈夫。
きっと。海は助かるから」