でも、そんなあたしの考えよりも先に双子が倉庫に帰らない日々が続いた
町で暴れているとも聞いた
それでも、夜桜の品を落とすような喧嘩はしていないみたい
「...あたしのせいかな」
ぼそっとソファーの上でこぼした一言は、少し響いた
「ルナのせいじゃないから」
え?
一人しかいないって思ってたのに、月がいつの間にか傍にいた
...あたし吸血鬼だよね?
気配には敏感なはずなんだけど、こうも簡単に近づかれるなんて
気を緩め過ぎていたことに反省しながら月の傍に行く
ストンっと隣に座ったあたしを何も言わずに撫でる
...撫でられてばかり
「大丈夫。あいつらはバカじゃない
少し高ぶって抑えられていないだけ。きっと帰ってくる」
そう信じている月の瞳は揺るがなかった