傍らには、同じ顔で涙に頬は濡れ、目を真っ赤にさせた双子の兄


どんな状態だったかわからない空は、海に状況を聞いた



学校から帰った海が、玄関を開け部屋に入ったら家の中はぐちゃぐちゃで

血まみれで動かない空と、窓辺でうつろな目で煙草を吸っている母親がいて


声をかけても空が返事をしないから、海が近所の人に助けを求めて救急車を呼んでもらったらしい




鼻が折れ、全身打撲と精神的なダメージを考え全治一か月の入院をすることになった空





親の元には戻せないと思った医者が、児童相談所に連絡をし、翌日から海は、施設で暮らすことになった



その時知ったのは、父親はやっぱりいなくて親戚もいない状態


仕方なく自立するまでは施設で引き取られることになった





空が退院してからはいつも二人一緒





それからは、母親と会うこともなく


空は、母親に似た人を見ると怯えるようになり



海は、守り切れなかった罪悪感を抱えてしまった



時と共に、怯えることはしなくなった

けど、家庭というもの家族というものが恐怖で信じられないものになってしまった



その後は
高校に入って月たちに会って、倉庫に住まわしてもらって施設にはあんまり帰っていない


――過去終わり