何もしなければ、大丈夫



空は、そそくさとすることをして


部屋に戻ろうとした




「...待ちなさいよ。」




自然と体が強張る




「あたしのこと、最低な母親だと思ってるんでしょ?

だからそんな目で見るんでしょ?」




何を言っているかわからなかった




確かに怯えてはいた


でも、最低な母親だとは一回も思ったことはない




「そ、そんなこ。」



言葉は最後まで言えなかった





次の瞬間には、頬に鈍い痛み
口の中は、鉄の味




叩かれたと理解するのに時間がかかった



母親は、馬乗りになり空は、抵抗していたものの、男の子といえどもまだ小学生

大人の力には敵わない




途中からは抵抗する気も起きず

なされるがまま殴られ続け



途中で記憶はなくなった



次に目覚めたのは、薬品の匂いが漂う白い部屋


...病院だった