双子とは、不思議なもので、欲しいものも、泣くタイミングも怒る時も一緒




小学校に行けば、二倍のお金


一人っ子の家計より出費は二倍


それも、一度に二倍の出費



父親のいない家計


大黒柱は、母親しかいない


母親は夜の仕事を始めた



僕たちが、学校に行くときは寝ていて、帰ってくると出かける




それが、無性に寂しくて悲しかった




それでも、低学年までは、母親の笑った顔や誕生日のお祝いの記憶がある



でも、それを壊してしまった




10歳の誕生日の日


前日の遅くまで酒を飲み働いていた母親



疲れているのに一生懸命笑って、いつもとは少し違う豪華な料理を作ってくれた




そんな母親に

僕たちは



「「お母さん。そんなに笑って疲れない?」」




なんの悪意もなかった

ただ、忙しく疲れているだろうから、
休んで欲しいという子どもながらの、気遣いだったように思う



でも、母親は、いっぱいいっぱいだった

そんな張りつめていた心のドロドロした水が、堰を切ったように溢れてしまう