誠哉への気持ちに気づいてから、5年の歳月が過ぎていたが、消えることなく、どんどん想いは強くなっている。

 

「香月…おい、どうした?」


運転しながら、優しく香月の頭を撫でたのは、付き合って2年になる彼、石田 寛之-イシダ ヒロユキ-。



「…あ、ごめん。ボーッとしてたぁ…」



「今日は送る」



寛之は香月を自宅マンションに送り届けた。



「香月、着いたぞ」



「…ありがとう、おやすみ寛之」



香月は車から降りて、エレベーターに乗り部屋に向かった。