「…てか、先生はなんでこんなとこにいるの?」

そんなことをふと疑問に思う。


授業は?

化学室からここまでかなり離れてるよ?

こんなとこいるのオカシくない?


『……―う~ん』

先生は私の顔を見た後、頭上を見上げた。

何かあるの?

私も先生と同じように何もないはずの天井を見上げる。



―……ケド、

やっぱり 何もない


先生なに見てるんだろ…?

上を見上げながら横目で先生を見た。

…あっ

私の視線に気づいたのか、先生が私の方を向き、先生と視線が合う。

―ニコっ

笑顔を向ける先生


『ここにいるのは、

――なんとなくですよ。 』


…えっ?

『この時間、担当の授業もありませんし、やることもなかったので。』

先生は笑顔でそう続ける