シーンとした空気の中、部屋にある時計の音が響く。 時を刻む時計は、1秒1秒が とても長いもののように感じる。 小春は、小さく肩を震わせながら下唇を噛み締める。 そんな小春に対し、 藍沢は小春に向けていた視線を、俯くように静かに下にさげた。 頑(カナク)なに開こうとしなかった唇をゆっくりと開き そして………――― 『……――ゴメン……。』 彼の口が出た言葉は そんな一言 ……だけだった。