忘れちゃいけないのに…

私は自分の手元にある紙袋に目を向ける。

少し大きめで、…持っていくのに邪魔になりそう。
そんなことを考え、小さく笑いが零れてしまう。
でも、すぐに表情は元に戻った。

笑っているのが……つらくなって、しまったから

鼻の上がツーンとしてしまう。
唇を少し噛み、目をギッと閉じる。

「頑張れ…自分、」

頬を両手でペンペンと叩きながら、零れそうになる何かを必死に止めようとする。

頑張れ

頑張れ

頑張れ……じぶん…、

自分で、決めたのに…
昨日あんなに悩んで出した結果なのに…
決心の弱い自分がムカつく。

弱い自分がイヤだ…

「……………ッ、」

いつからこんな弱くなったのかなぁ
昔はもっと、強かった気がしてたのに…

私…、
変わっちゃったよ…。



一人で歩いていくことが
できなくなっちゃったよ……――